コンプリートワークをしよう
チャートを磨き込む
優れたチャートはメッセージ(伝えたいこと),タイトル(メッセージが明確に伝わる表題),サポート(たぶん分析結果のチャートのこと)の3要素からできており,
- イシューに沿ったメッセージがある
- (サポート部分の)縦と横の広がりに意味がある
- サポートがメッセージを支えている
これらを磨くためにそれぞれ次の作業を行う
- 1チャート・1メッセージを徹底する
- 「最近の動き」とか「業界の動向」とか何が言いたいのかわからないタイトルを使わない
- 2つ以上のことを言いたくなったら2つのチャートに分断する.2つ以上のメッセージが1つのチャートに入ると理解が困難になる
- 縦と横の比較軸を磨く
- 軸の順番に意味をもたせる(大->小,プロセス発生順等)
- 軸を統合する(重なり合うはずの条件を比較しないよう注意)
- 軸の切り口を見直す(「スポーツ飲料を飲む人」だと分布がばらついたりする.「スポーツ飲料を飲む場面」なら「運動中」という市場をきれいに抽出できる,等)
- メッセージと分析表現を揃える
- 今の表現方法が適切か検討する(生値ではなく基準値の何倍,という表現のほうがわかりやすかったり,軸の刻みを細かくすると新しい事実が得られる可能性がある)
コンプリートワークをしよう
- 自分がスタッフとして受けた仕事を完遂せよ
- プロの世界では努力は評価対象ではない.イシュー・サブイシューに答えが出なければ,芸の細かい「努力」は時間とお金の無駄遣いをさせた「罪悪」となる.
- すべての仕事は結果が全てである
おわりに
- 検討したものが本当にイシューであれば,確実に新しい判断が行われ,次の課題に進む/ 明確な変化が起こる
- 日本では論理思考や問題解決において,新しいツール紹介ばかりが行われているが,この本が本質的な知的生産の議論のベースと実践の手がかりになってほしい
- 周りが「死ぬまで働け!」という「犬の道」(一心不乱に大量の質の低い仕事をして問題に答えを出そうとする方法)信者ばかりで相談できない人は,この本をヒントに「悩まず」に「考えて」ほしい.